鳥は悠然と飛んでゆく
秋晴れの空を 太陽を背にして
古(いにしえ)より続く 人の動きをずっと見続けてきた
何を思い悩むことがあるだろう
例えば 国と国とのおろかな争いの数々
人と人とのみにくい諍(いさか)いとか
人は地上にいて 多くのものを獲(え)て生きてきた
鳥は 陸から遠ざかり 領空に羽を伸ばして生きてきた
人は知ることになるだろう
何事にも限りがあることを
無尽蔵な地下の資(もと)を
境界を引き 森を切り拓(ひら)き
川を堰(せき)止め 海には要らないものを流した
空気を汚(けが)し 入り込めれば生き物の領域までも侵し
住処を作り 森の資(もと)を自分のものとして蓄えて生きてきた
やがて それらは 悔い改めるべきだったことを
人は知ることになるだろう
(2020.11.5)
0 件のコメント:
コメントを投稿