「かけがえのない財産を安全にお預かりします」とうたう大手銀行の貸金庫。2024年10月東京都内の銀行に預けた顧客から「自分の預けた物と違う」と不審を抱き届けがあって発覚した。悪事はやがて露呈すると言うことか。調べたところ、三菱UFJ銀行練馬支店と玉川支店から現金、貴金属計10億円相当以上が無くなっていた。金融庁届出事案であり、後に金融庁からは「報告徴求命令」が出されている。銀行側は「窃取された」と表現し、40代の女性管理職にある人物(名前は公表されていない)が投資目的から犯行に及んだことが判明している。貸金庫のキーを封筒に入れて顧客と担当管理職の共同による〆印を押印し封印すると説明するが、貸金庫にはスペアキーがあり、そのマスターキーを利用して行われた犯行の手口だったことも分かっているし、鍵の管理も杜撰だったこと、そもそも貸金庫の利用実態が明るみに出たこと(仮に本人が死亡した場合は「開かずの扉」になっってしまうと記事を書いた東洋経済オンラインは指摘する)等いくつかの疑問点が浮かび上がってきている。
大谷翔平がCMで呼びかける「最も安全な、安心して使える」クレジットカード。昨日の12月16日、同銀行の半沢淳一頭取が会見を開き謝罪した。ただこの謝罪は私達はただ粛々とやるしかないごときの非常にゆるい会見だった。ゆるキャラだからか、入行同期の池井戸潤が「半沢直樹」で主役のモデルを彼にしたせいで人気が出たからなのか、コンプライアンスに疑問の声が出ている。東大出の銀行マンなら小椋佳を思い起こさせるが、彼らは金融庁長官や財務省の官僚たちとも交流があるはずだ。もちろん警察庁とも。頭取が既に警察に相談したと言うのはおそらく警視庁ではなく、警察庁だったと推察する。なぜなら今だにこの額の「窃盗」事件で強制捜査があったと聞かないからだ。うちうちで済まそうと企んでいるに違いない。ところで三十五は、これ「窃盗」事件と思う? もし違うと思うなら何?マスメディアでアナが「窃盗」を「窃取」と誤魔化していると話したが、それは勘違い、同じ意味だから。 本当は、「悪貨は良貨を駆逐する」と言う経済の原則があるんやけど、それを取り上げて日銀のことを書くつもりが急遽変えた次第です。
UFJ銀行といえば、かつては三和銀行だった。駆け出しだった頃直ぐの1982年5月三和銀行東大阪支店で猟銃使用強盗殺人事件が発生した。右手にチャカ持って直ぐにでも撃てる用意をして現場に向かった。有名なのは、その前年の1981年3月三和銀行オンライン詐欺事件。女子行員の伊藤素子が1億8千万円を自分の物にして男に貢いでいた。高飛びした女は直ぐに逮捕されたが、男はそのお金で家族と悠々自適の生活を送ろうとしていたのだ。「好きな人のためにやりました」がその年の流行語になった。事件後法改正がなされ、電子計算機使用詐欺罪が新設されている。当時上司が「けんちゃん、全くあの女にはえらい目に遭ったわ」と色仕掛けにあったことを教えてくれた。貢いだ自分が悪かったと勾留中に思い直したのかも知れない。この事件を真似たと思い込んでいたが、松本清張の「黒革の手帖」。実は、この作品は1978年に世に出ている。女子行員が多額のお金を自分のものにして、銀座のママになりいわば復讐心に燃えて有力者から金品を脅し取っていくストーリーで何度も映画化、ドラマ化されている。武井咲主演のドラマが一番良かった。
最初の質問、あれは窃盗罪ではなく、業務上横領罪が正解やね。もしそうしたら、個人の犯罪だけでなく、組織が関わってくるからそれを避けたかったんやと思う。ギョーヨコは捜査三課ではなく、捜査二課が動くし、数箇所捜索を受けることになるからそれも避けたかったんやろう。今後どうなるか知れないが、預金者含め国民は黙っていないのではないか。
出典;東洋経済オンライン、ウィキペディア、松本清張「黒革の手帖」。
補追;金融庁から「徴求命令」出されたのは、他にも大きないくつかの問題があるからではないかと指摘するのは、今発売される週刊文春の記事である。興味のある方は、そちらに譲ります。(12月20日)
補追;文春の記事は、関西の副店長がヤクザを名乗り恐喝まがいのことをして逮捕された件だけど、実際にはまだまだあった。数年前にAT1債というクレディ・スイス銀行のイカサマみたいな債権を日本の富裕層に買わして紙屑になる大穴を開けて集団訴訟にまで発展しているんだけど、そもそも銀行の顧客情報をグループ会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券と共有していたことが問題です(ファイアーウォール規制に反して金融庁から金融商品取引法違反により業務改善命令を出されていた)。かつて郵政が民営化されて以降、かんぽ生命が不正販売を行い、又ゆうちょ銀行の顧客情報を不正に流用したことが明るみになったのと、ゆうちょそのものが勧誘に加担していたという不祥事もありましたね。日本の金融機関も闇が深いと言えそうです。(12月23日)
補追;2025・1・15 遂に(遅かった)三菱UFJ銀行の行員が逮捕された。貸金庫から2億6千万円相当の金塊を盗んだ疑いで、今村由香里容疑者(46歳)が昨日の14日に逮捕され同行の管理職に対する処分を検討しているというニュースだが、今だに窃盗の容疑となっているのが不思議だ。元支店長代理ということは、処分前は現役の管理職だったはずで、それなら窃盗ではなく、(業務上)横領が正解だ。その辺が個人の責任にしていまおうとする三菱UFJ銀行のコンプライアンスのなさを感じさせる。職務上預かった(保管していた)のではなく、勝手に彼女が持ち出したんですよ、と言いたいのだろう。警視庁も罪名変更しないと、裁判になるだろうし、おかしな事になってしまうはずだ。検察庁が起訴を前にその辺をどうするのか楽しみだ。
補追;1月22日。やっぱり警視庁の捜査二課が捜査しているようです。横領か背任を疑ったはずだから。上からの指示で窃盗事件としたのだろう。どうやら警視庁には、ブラックボックスという箱が複数あるらしい。
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