2025年2月6日木曜日

AIの現状と問題点

  AIに関しては、いくつかの問題点がある。昨年度ノーベル物理学賞を受賞したジョン・ホップフィールドらは、将来AIが人間の知能を上回り、人類の存在をも脅かす危険性があると危惧する。日本では将棋や囲碁などの何十手先を読むゲームが既にAIに凌駕されているのは周知のとおり。先ごろ文学賞でも似たような出来事が起きている。九段理江氏が芥川賞に輝いたのはいいが、彼女が作品の一部がAIを活用していると発表したことだった。今や学生の研究論文でもchatGPTを使って作成しているのは想像がつくし、それが文学の世界にも浸透してきたような感じか。選出した選者の作家は驚いただろうか?それとも近頃当たり前じゃんというだろうか?今後もし同様に作者自身でどの部分がAIなのか区別がつかなくなる状況になるということであれば、少々厄介な話になる。というのはもうAIが入った時点で著作権を主張できるかという問題があるからだ。ありとあらゆる世界に溢れた情報網から作者の欲しいネタを集めてくる。あの東京オリンピックでデザインを公募した際に起きた不手際を想像してみれば理解されるだろう。

 そしてそのChatGPTをも上回るとするAIソフトが現れた。ちょうどトランプ大統領の横に孫正義氏やサム・アルトマン氏など米AI関連企業の代表者らが勢揃いして演説をぶった後、そのような晴れの舞台に冷や水を浴びせるように放ったのだった。中国のdeepseekが文字通り深く先行してこの晴れ舞台を台無しにしたお陰で、NVIDIAなどIT関連株が一気に落ち込み(時価総額5900億ドル、日本円で91億円が一気に消失した)が、世界の株式市場に影響を与えた。今(2月6日)もまだ回復していない状態だ。HUAWEIと同じく入れたら最後個々人の情報を中国共産党に吸い取られるなど、色々中華特有の問題点が炙り出されてはいる。しかしこれまでadobeにしてもMicrosoftにしてもユーザーが必要なソフトを毎度更新してその都度売り上げを上げて来ているし、ChatGPTにしても使えるのは無料ではない。円ドル差損で年間5万円くらいはする、そんな状況にもうユーザーも懲り懲りなんだろう。つまりこのソフトに関してはオープンソース(無料)なのだ。危険性はあるが、無料。だから市場も迷っているところだと思う。(3月9日追記;ここで優れたAIのワトソンとでも呼ぶべき無料のアプリが存在するので加えておきます。それは Google の NotebookLM です。最後のスペルが、オランダ航空みたいだけど、実にすごい優れもので、気になる人はぜひYouTubeで check を)


 もう少し話をありふれた現実的な事に焦点を当ててみよう。スマート・シティではなく既に過疎地の定時運行バスは試験的に自動運転を実施している。乗っている村民も喜んで「最先端の」バスに居心地良く乗って満足気だった。このように私たちの知らない間に既に「変革」は始まっているようなのだ。私はそこで思い出す。以前実際に起きた事だが、猫だったと思う、突然道路に飛び出した。そんなシーンは自分でも経験がある。その時運転者は突如現れた小動物を何か咄嗟に分からず、急ブレーキを踏み、車は横転、運転しているポルシェが大破してしまったのだ。つまり、こういうことである。小動物ならず、女子高生がスマホを持っていきなり道路に飛び出したりする事だってあり得るし、実際にある。そこに電動スケボーや電動キックボードが登場しているし、キックボードについては既に警察庁も認可している。(最初中々認可が降りなかったのに知らぬ間にOKになっていた)ナンバーまでついてるのやついてないのまで多種多様である。取締りの現場の警察官も取締り対象が増えて喜ぶ反面、無秩序な状況を招来しているから手を焼いてもいるだろう。インバウンドも利用するだろう。仮に自動運転の乗り物が公道を走っていて、事故を起こしたとする。誰が責任を取るのだろう?横に補助役の運転手がいれば別だが、全くの無人になってしまって、不意の状況に判断がつかない自動運転者(?)が急ブレーキを踏んだとして、乗客が多数怪我をした有様を想像して見てください。軌道式なら別だけど、監視室があって、モニターで見ているかるどうか知らないが、テレビの取材に勝手に車(バス)が暴走してしまったようなのです、とでも言うのだろうか。「やっちゃえ日産」はいいけど、バカな煽り運転もあるだろうし、何が起きるか分からないのが(高速)道路であり、いかに対処が難しいのを知っているのが現場で処理している警察官である。それなのに簡単に警察庁の役人は許可してしまう。大金が動いたのではと邪推してしまう。もちろん六本木で起きたあの上級国民のお爺さんが起こした悲惨な事故を回避できるという保証があるなら別だが。だって彼らは警察という名前は付いているが本当の意味で警察官ではないからだ。反論する人もいるだろう。確かに鹿児島県警の本部長もそうだ、警察官の警視長という上位の階級だ。あ、でも彼らは少し頭は良さそうだけど、県民の気持ちは分からないし、警察庁の方針には従っても簡単に事件を潰してしまうじゃない?実際に彼らが道路で日々何が起きているのかさえ本当に知っているとは思えない。空飛ぶタクシーも作られているし、宅配ドローンさえもう「将来の夢」ではなくなっているのが現実だ。警察庁の役人にウクライナに出張してもらって現実のドローンの運用を見て来てもらいたいと切に願う。石にしがみついてもいかないだろうけどね。

参考文献等;田口善弘「知能とはなにか〜ヒトとAIのあいだ」(講談社現代新書)

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