先頃、ホンダの社長が会見した。会見で日産との協業は成功しなかったと明かした。同じく日産の社長も別の会見で同じような事を言い残念だと話した。ただ日産の10名を超える役員の胸中を慮るとすると、明らかな違いがある。ホンダはもう既に陸を走っている企業ではない。ホンダの実績にはまず二輪がある。ヤマハやスズキ、カワサキなど日本の二輪メーカーは海外でも人気が高い。そのホンダが陸地に飽き足らず、既に空を駆け巡っている。ホンダジェットは創業者の夢だったに違いない。もちろん日産にもフェアレディZやGTRなど他社にない魅力的なクルマがある。そうであれば倒産することはまずないはずだし、リストラを敢行することもないはずだった。「ニッサンがルマンを制覇するとき」という本を昔読んだことがある。似ている題名の本に「ホンダが(F1)レースに復帰するとき」がある。ホンダは今はF1から退いているが、いずれ再び復帰するだろうと思っている。彼らホンダエンジンを支える技術者の熱量は他と比べてもかなり高い。耐久レースのル・マンでは今やトヨタがワークス(個人では不可能だから)では牛耳っているし、日産の参入の話は聞かない。
最高出力600馬力を誇る最強のGT-R(日産のHPより)
一度日産が経営上追い込まれていた時期がある。ゴーンというフランス系レバノン人を社長に据えて、リストラと国内工場の整理を断行した。その行方は皆さんもご存知の通り、東京地検のゴーン逮捕劇(特別背任ほかの容疑)と逃走劇に終結する。ゴーンはルノーを売りますとフランス当局には言い、日産、ルノー、三菱自動車のCEOとして自己の地位による権力を欲しいままにした。今、日産はまず横浜近郊のザマ工場を縮小するためリストラを行なっている。今回のホンダとの協業がならなかったのは、日産首脳陣のプライドの高さ(=ホンダの2〜3倍は貰っている給与の減額或いは12名いる役員外しに対抗か)の結果だろうけど、ホンダにしてみればこの期に及んでもその態度と言いたげだった気がする。そして中国共産党がバックにあるホンハイ鴻海精密工業股份有限公司の受け入れを模索しているようだ。あのシャープや東芝の時のような似た日本企業の末路に近い様を思い描いた社員が多かったのではないだろうか?直近ではKKRに増資(資金調達)のための協議を始めたというニュースが伝わってきた。かつて日産のラジエーター部門の子会社をコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却した経緯がある。いずれにしても日本の基幹産業の一つが岐路に立っていることは間違いない。そんな時でさえ政治家は素知らぬ顔で日本人より外国人受け入れとか優遇措置を取ろうと図っている。(※東京大学に現在留学中でIT関連の研究室に在籍している女性が1年で1300万円の日本の医療費を詐取したと指摘され、ネットでは炎上している。)
大学を卒業して会社説明会に参加したのが日産で、当時は親方日の丸の言葉通りのイメージで、石原裕次郎のドラマにも登場するイケイケムードがあったと思う。日産の名車には、フェアレディZやスカイラインがある。でも結局入らなかったし、入った林業の会社も退社して公務員になった。私が最初に給与で買ったのは日産ブルーバードSSSスリーエス)E。当時ジュリーこと沢田研二がその車のターボ車を宣伝してたから欲しかったんだけれど、予算を超えた。前後のバンパーが広く、座ってよく地元の屋台のラーメンを食べていたっけ。
以前大坂なおみが2018年グランドスラムで優勝した時、日産の女性役員が大坂に何が欲しいかと聞いたら、GTRと答え、その場で高価な特別仕様のGTR(上記写真。価格2464万円)をプレゼントしたシーンを思い出す。今となっては夢のまた夢ということだろうか?
追記;3月8日。娘は今横浜に住んでいる。日産の工場に勤めていて産休に入っていたところをどうやらリストラされたらしい。例の日本で真っ先に工場の生産縮小があったところだ。役員報酬は誰にも負けないくらい貰って、社員にはとても冷たい会社が日産である。そしてプライドだけは負けないくらい高い。あんたホンダは目先のことは考えてないですよ。経営能力がないんだったら、さっさと退場しないと。そう言いながらフジHDの幹部の影がちらついた。
0 件のコメント:
コメントを投稿