明日は年に一回牽牛と織姫が出会う「七夕の日」。台風一過、近畿では青空が広がっている。例年梅雨の雨に打たれているが、今年は違う様子。逆に気まぐれ予報官の暑気注意報が発令された。
「 そんな日はね、例えば梅田のステーションシネマかなんか朝イチでゆっくり凍りつくような映画でも観たらどうでしょう」
「え?それって今やってる映画、ブラックフォンのことですよね?そうかあ、うんそれもいいよね、でもちょっとホラーで怖い気もするけど、怖いもの見たさっていうのもあるし…」
最近NHKでドラマ「ハゲタカ」が再放送されていたから見ている。ちっとも古さを感じさせないのは、俳優の演技(大森南朋ら)や音楽(作曲佐藤直紀)の力、当時の社会世相を反映した原作(小説は真山仁)と脚本、そして演出力によるところが大きいと思う。Netflixでも映画版をやているから見直して見たけど、中国人役の玉山鉄二などの演技も良かったし、やっぱりending theme の歌がいい。
銀行ドラマでは「半沢直樹」が人気があったけど、「ハゲタカ」はそのハシリだったように思う。平成に入ってもしばらくは北新地も活況を呈していた時期はあった。コロナに突入するまでもなく、世の中は平成から令和へと移っていく中での景気を反映してか、新地といえどもキャッチに頼らざるを得ない時代だってことくらいタクシーの運転手に聞かなくても分かる。「ハゲタカ」はそんな日本の隙間に入り込んで来たのだ。難波周辺でも、南海の「サウスタワーホテル」は「スイスホテル」に、近鉄の都ホテルは「シェラトン都ホテル大阪」に、あの「ロイヤルホテル」でさえ「リーガロイヤルホテル」に変わった。国内の有名なリゾート地でみんなが行きたいところはたいてい外資だ。星のリゾートでさえこの先分からない、中国が触手を伸ばしている。太陽光や風力だけじゃない、カジノだけでもない。彼らは独立行政法人である国立大学や大阪府や大阪市などの行政に食い込んでくるはずだ。そういった人たちに参政権を与えることが、さも正当なことのように思える時代になってくるかも知れない。
「ハゲタカ」が描く時代は、銀行が中小企業に貸し渋りをやって工場が閉鎖、リストラ、倒産、社長の自殺へと追い込まれ、そんな弱体化した日本に外資の集団である投資ファンドマネジャー「ホライズン・インベストメント・パートナーズ」(代表鷲津政彦)が入り込んで、今にも潰れそうな会社をターゲットにして「買い叩く!」あらすじである。
asset(資産)とは不動産、工場なら生産機械、有価証券や預金をいい、有用なそれら資産が負債に照らしていくらになるかを計算してギリギリまで投資する。そして日本の銀行と競争して勝ち抜いていく。会社の株の半分を押さえて「物言う株主」となる。そう言えば、ホリエモンの行動(「風説の流布」)が司直の目に止まった時に、村上ファンドも彼ら地検のターゲットになっていた。一方で企業価値を高めていく投資ファンドも存在する。しかし東芝やオリンパスが同じような手法を用いたように企業の負債を「のれん代」として他国の値打ちのない企業を買うことによって誤魔化すことも罷り通ってきたのも事実である。(続く)
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