「チカちゃんって呼び名、やっぱり自分にはピンと来ないから、直木三十五の三十五(夏目三九みたく)にするわな。それでゴールデンウィークどうやった?」
「毎年同じような感じかな。」
「同じように見えてもさ、今年は違っているかもね。世界の中の日本。人出も以前のようになったし。相変わらず30キロ以上の渋滞の中にハマってたし。あと、自分の家の近くに住んでいた同級生の店(地元では結構流行ってたんやけど)が閉店に追い込まれてて、1億を超える負債抱えてね」
「そうなの。大変ね。確かに全国的に、円安だと輸出に強い大企業は安定しているけど、小さな企業や飲食店なんかは弱いものね。」
「昔さ、三十五ちゃんがメールで云ってたことなんやけど、私も待つんだから、けんちゃんも待たないといけないんだよ。これ、当時はさ、そんなバカなこと、非現実的なことと思った分けなんやけど、年月が経つとその言葉の意味が人生哲学的なというか、ある意味深い真実を含んだ言葉に思えてきて、本当に三十五はそう云ってたんじゃないかって思えるようになってきたんよ」
「さすが、洞察力に富んだけんちゃんだけあるわ、私が見込んだだけあって。でも私も当時は、つい言葉が先行しちゃって、どちらかと言うと何も考えずに言ってしまってて、後で悪かったと反省したり、後悔したりすることが多かったみたい。結構いろいろ悩んだしね自分では。今は少しは、ちゃんと相手のことを考えられるようになってきたと思うけど。」
「偉いね。別れた期間が成長させたと思ったら有意義だったかも知れないね。一度占いやって見たことあったけど、前世の結び付きがあって、一度別れることが必要だったんだって書いてあった。二人が別々に過ごしている時間は、二人がお互いにとってまるで心の一部であるかのように、深く分かり合えていたことを再確認する意味があると。それが大事で、絆というものがあれば実際の距離も関係ないと。そして今変化の時を迎えているらしいんやけどね」
「そういうの好きね、けんちゃん。私には分からないけど、少しわかる気もする。今日ってさ、例の戦勝記念日やったよね、彼の地では。どうなるんやろう。」
「プーチンは病気が結構進行しているのかもね。でも自分が今日だけは勝っていることを演出してみたいらしい。その後でパトルシェフ(安全保障会議書記)に代行させるという腹積りらしいけど、どうも長引けば長引くほど戦況も変わってきている気がする。かなりの数の有能な国民が国外に脱出したし、経済は一寸先は闇だし、仲のいい国ばかりを頼みに出来ないだろうしね」
「昔ね、私がしんどい時けんちゃんが来てくれようとしたでしょ、私はどうして来るの?なんて言ってあなたを困らせたけど、あの時本当はすっごく嬉しかったの。今も忘れていないわ。今度あったら、いっぱい話、しようね。」
「うん。いっぱいね」
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