2024年10月25日金曜日

Black Box を開けて

  


  ブラックボックス (Black box) とは、内部の動作原理や構造を理解していなくても、外部から見た機能や使い方のみを知っていれば十分に得られる結果を利用する事のできる装置や機構の概念。転じて、内部機構を見ることができないよう密閉された機械装置を指してこう呼ぶ(ウィキペディアより)


 先ごろ被害者の大阪地検所属の若い女性検事が会見を開き、過去の上司の性的暴行について、これまで告訴しなかった理由やあらためて裁判に臨む気持ちなどを吐露していた。

 被告は当時大阪地検の検事正で、彼の昇任に関する祝いの場が彼女にとっては悲劇の場に変わってしまった。この種の事件は、過去においては「ブラック・ボックス」という自伝的著作を描いた伊藤詩織氏と、告訴された山口敬之氏の間に起きた事件に似ている。伊藤氏は被害当時警視庁(高輪署)に告訴し、当然被害者側の心情や被害の程度に照らし、同署強行犯係が逮捕状を請求し東京地裁で逮捕状が発布され、彼が所在する空港で逮捕されようとするところまで進捗した。そこまでで高輪署長からストップがかかり、あっさり刑事事件は終結した。ストップした理由は上層部は明かさないが、当時安倍政権で官房長官をしていたのが菅氏で、内閣官房副長官は杉田和博で、国家安全保障局のトップには北村滋がいた。杉田は当時霞ヶ関の人事を司っていたので周りは影の実力者に恐れ慄いていたという。ラジオの放送番組からTVの表舞台に出た山口氏(元TBSワシントン支局長)は、その頃安倍首相に関係する本を2冊もものしていた。一冊は「総理」次に「暗闘」。週刊誌等の報道により彼はTVを出禁になって後に、YouTubeチャンネルで語っているように、最初は面識のない安倍さんから二人で食事ができる仲になっていて、安倍さんの日程や今後の方針などとっておきの情報を携帯電話でやりとり出き把握できるようになったことは容易に想像できる。そんな二人の関係であるから、のちに警察庁長官になった中村格(いたる)は事件当時には警視庁の刑事部長であったが(その前には官房長官の秘書官をしている)、彼が指揮したであろうことも間違いない。もしそのような警察人事により固められた内閣であり、重要事件の事件捜査も及ばないところに向かうのであれば被害者もなす術はないというべきだろう。


            紀伊國屋書店のウェブサイトより

 同じことは大阪地検の今回明るみに出た事件にも言える。大阪地検は、東京地検特捜部ほど華々しい活躍はない事情もあり、村木厚労省元局長の事件でも書類を改竄してでも手柄を得ようと必死だった。不正はいつかは明るみに出るものだが、明るみに出たのもある勇敢な女性検事による内部告発だったはずだ。内部から明るみに出たケースは鹿児島県警の一連の事件しかり、木原事件しかり。そして一度不正に関与した者はいつかそのしっぺ返しを喰らうことになることは、関係する者は肝に銘じるべきだと思う。例えば暗殺されたり、脳梗塞のような病気で執務する事が難しい状態になったりもする。因果応報と呼ぶべきだろうか。くだんの元警察庁長官(先の刑事部長)にしても、それこそしつこくYouTubeチャンネルで和田秀樹医師がこれでもかと追及している。

 両事件に共通して言えることは、非常に卑怯な行為というか、男らしくないというか、無責任というか、男が女性に対して真摯に向き合っていないということだ。いずれの女性もそのために将来が踏み躙られ、加害者の一方的な行為によりPTSDを発症してもいる。伊藤詩織氏が左翼系の新聞やメディアに利用されているのを見て、「どうせ彼女は売名行為だ」などと揶揄するのは良くない。そんなことをして顔を世間に晒したい訳はないはずだから。それは、統一教会二世の女性も同じだ。

 この種の事件が報道されるたびに思う。仕事に命をかけているというなら、相手の女性にも自身の命を投げ打って接するべきだと。今回の元検事正が控訴せずに罪を認めたことは唯一の救いだったと思う。


MC183 sekaijyude ichiban taisetsunahito 35 shikainaiyo

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