2022年7月28日木曜日

空時/領域/極限まで

    最近、というか今年二回目の大阪ステーション・シネマの映画は、観ようと思ってて中々観れてなかった「トップガン/マーヴェリック」にした。日曜の朝は初回8時20分開演やから、6時半には家を出る。昼前にこの間知り合った韓国人の経営者と会う約束をしているからギリギリのスケジュール。実際には10時半には終わって少し余裕があった。(※7月24日は、私が4回目のワクチンを打ったのが前日、大阪が1万7千人を超えた日)

 映画の冒頭でマーヴェリックが乗るバイク、カワサキのninja900が疾駆するシーンがあるが、その辺は「ドラゴンタトゥの女」でヒロインがホンダのカーレーサーに乗って疾走するのと同じで見ていてスキッとする。(お前と別れんかったら、オレもバイクなんか乗ってないやろうなぁ?)

 ムスタングという往年のプロペラ機も登場するけど、これは日本の零戦と戦った名機であるし、マーベリックが敵のF14トムキャットに乗るシーンは、初代トップガンが30年も前で、その時の印象が残っている観客には唸るものがあるだろう。今艦載機といえばF18ホーネットE/Fにその地位を譲ってしまっている。F35Bステルス戦闘機は垂直着陸出来るから日本の空母化する護衛艦には最適だろう。

Topgun/Maverick2022

 映画を見終わってから思ったことは、人にはそれぞれの生きる「領域」があるんだなぁという感想。つまりパイロットにはパイロットとしての、ヤクザにはヤクザなりの、殺し屋には殺し屋の、政治家には政治家としての生きる活動領域というものがあり、それは他のどの領域にも一致しないもの。時々一致する時があるとすれば、それは妙な運命的なつながり、或いは宿縁とでも言うべきものがあるからだろうか?何となくそういったことが頭をよぎった。領域の違う二人がこの世で出会うということは、運命的な繋がりを意味している。おれもお前もそうなんだろうし、たとえば事件の容疑者と被害者の関係もそういったことがあるのかも知れないとも思ったりもした。

  写真は、topgunmovie.jp より


 映画館を出て直ぐに梅田と難波のあちこちある店で文具を探し歩いたけど目当ての物は見つからなかった。それは最近銀座にオープンした「DAISOマロニエゲート銀座店」にある北星鉛筆の「クラフトマン・ペンシル」というもので、関西では、梅田のESTの「スタンダード・プロダクツ」という店にあることが後で分かったけど、その日は時間的に無理があったから、次回のお預けに。お前に買って欲しい物ってなあに?って聞かれたら、その鉛筆セットが欲しいって答えるだろうけどさ…。「いや私、誕生日に何も貰ってないんですけど…」

 ホテル日航大阪のロビーで会った韓国人の彼は50歳くらいで、貿易事業から今はセキュリティ関連の仕事に移っているとのことだった。メールを開いたら「DoS攻撃」に遭ったり「身代金型のウィルス」を仕込まれることで近年企業が対応を迫られているアレだ。分かりやすい紹介動画をYouTubeで作っているので見せてくれた。彼の会社のセキュリティは大統領府にも採用されているとのこと。青瓦台が国民に開放されたんやっけ。LINEも韓国で生まれたね(ライブドアが解体されて、社員を韓国企業が吸収して作ったのがLINEやけど)。話題は、やっぱり安倍さんの襲撃事件のことになった。彼は警備の手薄を何回も指摘していたが、私はそれでも防ぎようがないことを強調した。だっていくら人数を倍増やしてもさ(警察庁にいる警察官ではない人達が頭を絞ったとしても)政治家が一票のために握手をし、特定の宗教の力を借りている現状をどうしょうもない(「桜の会」を宗教団体の集会と言い換えたらイメージしやすい)。彼の国のように徴兵制でも導入したら少しは変わるかも知れないけどね…。いやあ、この国は変わらんなぁ、やっぱり….。網タイツに鯖江の眼鏡付けた早稲田出身の衆議院議員見たら、そんな風に思ってしまう。

2022年7月14日木曜日

誕生日 おめでとう!

忘れてはいないよ、もちろん。

明日は、また映画に行くつもりにしていたけど、また感染拡大になってしまった。

鮎釣りにも行く気がしないし(R169が通行止めに)、戻り梅雨の感じやし…。だから

もうお前のことを想うしかないのかなぁ….。





2022年7月11日月曜日

追悼 安倍元首相

  奇しくも安倍さんが狙われた前日久しぶりに梅田で映画を見た帰り、ちょっと時間があって近鉄西大寺駅のエキナカ「成城石井」で買い物をしていた。数年前にまだ現役の時に平成元年生まれの部下の男と梅田の牡蠣の店に偶々入ったことがある。「かき鐡」という店に入ると、麻生元首相や当時まだ現首相の安倍さんの直筆の書があり、店はまだ時間的に閑散としていたので、店主に「安倍さんはどこに座ってました?」って聞くと、彼が座った椅子を案内してくれたことを覚えている。メディアも知らないから恐らくお忍びで来た店だと思う。

 比ぶべくもないが、安倍さんは昭和29年9月21日に政治家一家の中に生まれ、なるべくして総理大臣になっている。私の祖父は村会議員を4期勤めたのみで、その祖父と父が同居をしていた10月7日に私は生まれた。ちょうど「憲政の神様」と称された尾崎咢堂こと尾崎行雄が逝去したので憲法にちなんで命名されたと聞いている。

 その安倍元首相がなぜ狙われたかという山上容疑者の動機について複数の取材結果が出ているが、彼の政治信条ではなく容疑者の個人的な宗教上の理由が主な動機であることが分かってきた。これまでTVでは明らかになっていないが(7月11日になってようやく宗教団体を報道)、「世界平和統一家庭連合」(統一教会のこと)に入信した母親が容疑者の言葉を借りれば「統一教会の霊感商法で(家財を貢いで母親が自己破産し)一家がバラバラになってしまった」のだと言う。父親の死因は知れないが、兄の自殺(兄弟の自殺は彼の人生に暗い影を落としたことだろう)、その後の宗教による家庭崩壊、それだけに同教団に恨みを持ち続けていたのであろう。

 また公明党が創価学会と一体であるように、政治家も票に結びつくため、信者ではないが「持ちつ持たれつ」の関係を何らかの宗教団体と結ぶことはよくあることだと思われる。実際に祖父の岸信介の時代から同団体とは近しく、安倍さんも付き合いからかメッセージを送ったりもしている。そして容疑者は「岸が日本にその宗教を入れたから(団体のトップは来日せず、安倍元首相を)狙った」と供述している。

 元海上自衛隊員の彼は、3年以上の任期制自衛官(産休職員とかの穴埋め)であったが、その頃に銃の扱いを習得したと思われる。私も銃の分解と組み立てはできるが、彼のような部品をネットで購入し短期間で手製の短い筒状の二連装散弾銃を作ってしまうのは確かな技術を持っているということができる。引き金はなく、ボタン式でリード線により発火装置に結ばれるように出来ている。この辺は、当時國松警察庁長官を狙撃した中村泰とも被る。彼も相当な射撃の名手であり、短銃をマニュアルなしで作ってしまう技量を持っていた。

 最近この事件の関係で、警護警備のあり方について元警護課(SP)の人によくインタビューしている報道があるが、あ、なるほどと思える人とそうでない人に分かれる。特に元警視総監などという人が答えているのがあったが、当時警察庁長官狙撃事件を捜査する公安を直接指揮していたのは警視総監であり、最初からオーム有りきの捜査に偏ってしまった(先入観を排除しなければならないという鉄則を無視した)。途中で刑事部が参加し、あらゆる証拠から犯人が中村ではないかと捜査していたが潰されてしまっていた。結局誤認逮捕を重ねることになり、時効に至る。後年國松氏自身が当時の事件捜査についての誤りを指摘している。

 現場の状況をああでもないこうでもないと主張したところで、今回警察の一枚上をいっていた山上容疑者を押さえることは出来なかったと私は思う。というのも彼には既に対象者をヒットできる確信があったし、絶対的とも言えるだけの訓練を重ねてきたはずだから。この辺については、映画「ジャッカルの日」を思い起こさせる。

 「ジャッカルの日」は、当時人気作家であったフレデリック・フォーサイスの原作をフレッド・ジンネマン監督により映画化されたが、当初はなぜか酷評されていた。私はそれでもこの映画が好きで何回も見ている。最後に「ジャッカルのような人間はどこの世界にもいるもんだ」と述懐するシーンがある。彼は多額の見返りを求めるヒットマンであるが、確実性を何より求めたから性能の良い改造ライフルを手にして試し、命中精度を高めていく。ジリジリと対象に近づくジャッカルと、フランス警察の絶対暗殺を阻止する警備当局とのサスペンスで、最後にドゴール大統領が暗殺されるのかどうかという息も付かせないギリギリのつば迫り合いが観客を巻き込んでいくという筋書きだった。

 昔六本木の派出所で二名の警察官が元自衛官に殺害され拳銃を奪われるという事件があった。当時初めてサバイバルナイフというものが凶器に使われたが、信じられないと思う人が多いかも知れないが、徴兵制で鍛えられている韓国人の若者ならこのようにいとも簡単に警察官に近づき殺害する能力を有している。北朝鮮やロシアのスパイ然りである。日本では、オーム真理教が地下鉄サリン事件を起こしたことで人々の記憶に残っているが、特定の宗教も含めて(政治信条に依らずとも)ある日突然白昼堂々凶行が引き起こされることはいつでも大いにあり得ると私は思う。3年前吹田の千里山交番で警察官が襲われ拳銃を強奪される事件があったのもまだ記憶に新しい。


 ※ 写真は時事通信社が発表したものです。

 今回の事件では奈良で起きたこともあり、奈良に住んでいる者にとっては何か特別な気がしている。安倍文殊院は、陰陽師安倍晴明が修行をした寺院として知られるが、安倍元首相も12年前には縁が深いとして寄進をしている。安倍昭恵夫人のことを安倍さんは同志のようだと言っているのを聞いたことがある。確かに彼女はずっと活動的なファーストレディだった。フィリピンではアキノ上院議員が暗殺された時アキノ夫人が立ち上がり大統領になったが….いや憶測を呼ぶような話はやめよう。ただ一つだけ残念なことは、どうして自殺してしまった財務省の職員の婦人にちゃんと向き合ってやらなかったのだろうか、ということである。赤城ファイルは黒塗りの公文書であった。山口敬之氏に関わる警察の逮捕権についての問題(不当な逮捕を逮捕権の乱用と左翼は叫ぶが、逆に逮捕すべきをしなかったことが問題となった)。先ほどの黒塗りの公文書問題は、最近では兵庫県警の機動隊員の相次ぐ自殺について事実を公表して欲しいと願う遺族に対して、逆撫でするように全面黒塗りの文書を交付している。忖度という言葉がやたら流行った。立身出世主義がその生みの親である。様々な問題を投げかけた自民党の最大派閥を擁した安倍派(清和政策研究会が正式名)の領袖が逝った。

佐賀TVはがくれ時評

今夜7月11日東京都港区の増上寺では、家族葬ではあるが、喪主安倍昭恵夫人が務める通夜がしめやかに行われている。


参考文献等;鹿島圭介「警察庁長官を撃った男」                    

      原 雄一「宿命」

      NHK特集「未解決事件 File.7 警察庁長官狙撃事件」

      フレデリック・フォーサイス「ジャッカルの日」

     






2022年7月8日金曜日

七月七日晴れ

  昔観月ありさ主演(同名の主題歌はドリカム)で映画になったのがそれ。それも私の生まれ故郷を舞台にしていた懐かしい映画だ。今日7月7日、ちょっと身の毛のよ立つ映画「ブラック・フォン」を観に梅田のステーション・シネマ(Lucua11F)に向かった。平日なのに、第七波に突入したとのニュースもあるけど結構な人出に驚く。始まる前に定番のポップコーンとホットコーヒーを用意する。彼女がいない分だけ楽だと負け惜しみを心の中で言ってみる。でも始まるともう、それどころではなく釘付けになってしまう。凄い音響効果もあってか何度か声を上げる程びっくりする場面が少なからずあったし、見終わってみるとただ良かったと思った。最後らへんでは泣けたし(どこかは言わないけど)。終わってから外に出てトイレで若い二人連れが会話していた。「ホラーっていうよりサスペンスって感じかな?」他にも色々会話していたけど割愛。人の入りは、朝イチで私を入れて8人だった。そのうちの最後列にいた二人。露天風呂なら殆ど独り占め的な程の空き。

 この映画を評するのは早いけど、ただどちらかと言うと、映画に貫かれているのは「子供目線」であるということ。大人の視線より低い。実際にこういった映画の中で起きたことは(舞台は1970年代)アメリカなら十分有り得ただろうし、監督は要所に暴力を入れていることから、いわゆる学校における「いじめ」や「家庭内暴力(虐待)」を一つの重要な要素としていることも推察できる。この映画が単なるホラー映画に堕っしてしまわないのは、子供の心をちゃんと描いていたからだと思う。

※補追;2023.7に入って観た映画「怪物」にそのへんは共通している。

 最近でも学校での銃乱射事件が後を絶たないアメリカでは(翌日日本でも奈良で安倍元総理が撃たれる事件が早速起きた)、子供たちが十分守られていないのは事実である。いくら大統領が共和党から民主党に変わったとしても、最近の最高裁判例(アメリカは判例主義)がいみじくも露呈したように、銃規制に対してはそれほど積極的でないことが明らになった。今だに安心して通学出来ない(授業を受けていられない)状況は変わらない。この映画は、子供と親、子供同士の付き合い方、兄妹の愛情、既にこの世にいない病んでいた母親の残像、夢(或いは予知夢)という現象、特に家庭と学校、近隣のつながり等(誰が住んでいるかさえ希薄な隣人との生活)を思い起こさせ、考えさせられる映画だった。昔ルネ・クレマン監督の「禁じられた遊び」というフランス映画があったが、子供が十字架とか遊びの道具にするのは禁じられた遊びなのだが、戦争という現実の中では大人は止めさせる手立てがないことを意味している。つまり大人ではない子供の世界があって、この映画でも大人社会の中に切り込んでいく力を持っているのだと思う。そしてファーストシーンを思い起こして欲しい。ピッチャーとバッターの少年の間に人知れず芽生えた友情。それがブラック・フォンというアイテムを介して主人公の少年を救っていくことになるのだ、何度失敗しても生きる希望を失っちゃダメなんだよ、そう友人は話しかけてくる。彼は生き延びることは出来たのだろうか?

七夕の日にルクア大阪



 そして、昨日の「ハゲタカ」の続きだけれど、次回に譲ります。


 あまりに綺麗なので、twitterの投稿の中から北海道で撮影したというKAGAYAさんの写真を勝手に使わさせて頂きました。m(_ _)m   夏の大三角〜真上が、こと座のベガ(織姫)で、右下がわし座のアルタイル(彦星)です。

 


2022年7月6日水曜日

「ハゲタカ」という外資

  明日は年に一回牽牛と織姫が出会う「七夕の日」。台風一過、近畿では青空が広がっている。例年梅雨の雨に打たれているが、今年は違う様子。逆に気まぐれ予報官の暑気注意報が発令された。

「 そんな日はね、例えば梅田のステーションシネマかなんか朝イチでゆっくり凍りつくような映画でも観たらどうでしょう」

「え?それって今やってる映画、ブラックフォンのことですよね?そうかあ、うんそれもいいよね、でもちょっとホラーで怖い気もするけど、怖いもの見たさっていうのもあるし…」



最近NHKでドラマ「ハゲタカ」が再放送されていたから見ている。ちっとも古さを感じさせないのは、俳優の演技(大森南朋ら)や音楽(作曲佐藤直紀)の力、当時の社会世相を反映した原作(小説は真山仁)と脚本、そして演出力によるところが大きいと思う。Netflixでも映画版をやているから見直して見たけど、中国人役の玉山鉄二などの演技も良かったし、やっぱりending theme の歌がいい。

ドラマ『ハゲタカ』

 銀行ドラマでは「半沢直樹」が人気があったけど、「ハゲタカ」はそのハシリだったように思う。平成に入ってもしばらくは北新地も活況を呈していた時期はあった。コロナに突入するまでもなく、世の中は平成から令和へと移っていく中での景気を反映してか、新地といえどもキャッチに頼らざるを得ない時代だってことくらいタクシーの運転手に聞かなくても分かる。「ハゲタカ」はそんな日本の隙間に入り込んで来たのだ。難波周辺でも、南海の「サウスタワーホテル」は「スイスホテル」に、近鉄の都ホテルは「シェラトン都ホテル大阪」に、あの「ロイヤルホテル」でさえ「リーガロイヤルホテル」に変わった。国内の有名なリゾート地でみんなが行きたいところはたいてい外資だ。星のリゾートでさえこの先分からない、中国が触手を伸ばしている。太陽光や風力だけじゃない、カジノだけでもない。彼らは独立行政法人である国立大学や大阪府や大阪市などの行政に食い込んでくるはずだ。そういった人たちに参政権を与えることが、さも正当なことのように思える時代になってくるかも知れない。

 「ハゲタカ」が描く時代は、銀行が中小企業に貸し渋りをやって工場が閉鎖、リストラ、倒産、社長の自殺へと追い込まれ、そんな弱体化した日本に外資の集団である投資ファンドマネジャー「ホライズン・インベストメント・パートナーズ」(代表鷲津政彦)が入り込んで、今にも潰れそうな会社をターゲットにして「買い叩く!」あらすじである。

 asset(資産)とは不動産、工場なら生産機械、有価証券や預金をいい、有用なそれら資産が負債に照らしていくらになるかを計算してギリギリまで投資する。そして日本の銀行と競争して勝ち抜いていく。会社の株の半分を押さえて「物言う株主」となる。そう言えば、ホリエモンの行動(「風説の流布」)が司直の目に止まった時に、村上ファンドも彼ら地検のターゲットになっていた。一方で企業価値を高めていく投資ファンドも存在する。しかし東芝やオリンパスが同じような手法を用いたように企業の負債を「のれん代」として他国の値打ちのない企業を買うことによって誤魔化すことも罷り通ってきたのも事実である。(続く)



新中東戦争のゆくえ