最近買った本(SB新書)は、「『日銀』が日本を滅ぼす」というもの。書いたのは、現在シンガポールに住んでいるジム・ロジャーズという人。この人、ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスと並んで世界の三大投資家として有名で、おん年82歳。バフェットは日本でも有名で、彼が日本の四大商社の株式を買ったら、世界の投資家が注目して瞬く間に株が吊り上がるといった具合。ソロスはユダヤ人で、かつては英国ポンドと渡り合って勝負したことで有名で、何かと話題になる人である。でもこのロジャーズを知る日本人は少ないと思う。私も今本屋さんで働いているから知っているようなもので、その彼が日銀や日本の経済情勢について語っているから取り上げたい。まず、「三本の矢」で注目を浴びたアベノミクスが失敗だったこと、安倍さんの肝煎りで日銀に君臨した黒田前総裁のゼロ金利やそれに続くマイナス金利政策、イールドカーブに沿う通貨供給政策(ヘリコプターマネー、略してヘリマネー=通貨を市場に供給して需要を拡大し、インフレ効果を狙う)も逆効果だったし、デフレからの脱却にも疑問を持っている。そして彼は現黒田日銀総裁に期待する。ただこのヘリマネーについては、FRB(アメリカの中央銀行)議長だったベン・バーナンキが提唱していたはずだ。
画像;YouTube USA Military Channel より 海兵隊所属の AH-1Z ヴァイパー
今朝(12/23)のニュースの中に、政府が将来デジタル通貨を発行したら、今年発行したようにお札を刷ることは無くなるかも知れない、という内容があった。これについて、もしもナカモト・サトシがどこかで聞いていたら、きっと苦笑いしたかも知れない。それなら政府(中央銀行)が発行しないビットコインという仮想(暗号)通貨を発行した意味がなくなるからだ。今年発行された新紙幣はある程度定着した感じがする。二千円札がないのがさみしいが…。なぜナカモトが中央銀行の発行でなく、民間の通貨に拘ったのだろう。政府日銀が介入するということは言い換えれば社会主義的な「統制」を市場に対して行うことを意味する。そういった「発想」を実行できる人間が羨ましい。
日銀は、教科書では「公開市場操作」と呼ばれている、市中銀行から国債を買って通貨を市場(国民のところ)に増やす景気刺激策をおこなっているが、それについて彼ロジャーズは批判する。中央銀行が統制せずに市場に任せておく方がいいという。通貨を安定させるためと言って中央銀行が市場に介入することは間違いだというのだ。
これまで様々な局面で政府・日銀が市場の円ドルの為替相場や先ほどの通貨政策あるいは金利0やマイナス金利等の金融政策をおこなってきた。今東京や名古屋の中心部では、マンションは建築完成を待たずに完売している。4億以上もするタワマンが(ただ外資=中国の資産家が買う例もある)。一頃のバブル全盛期を思わせる勢いだ。その一方で、前回取り上げたようにタマホームのような中堅不動産が危ない。積水が、Netflixでドラマ化されたような大掛かりな地面師詐欺に遭ったことがあるが、敵は詐欺集団だけでなくサイバー犯罪(日本国内の企業を狙ったランサムウェア攻撃や日航を狙ったDDos攻撃といったサイバー攻撃が後を経たない)のような形でも襲いかかる。かつてのバブルが弾けた時には、日本では融資融資でトチ狂ったように不動産のために融資を行なった銀行が次々に倒産した。当時東大出たら行くような長銀や興銀、北海道拓殖銀行や日債銀。証券会社では損失を隠す「飛ばし」をやった山一證券。公的機関もこぞって損失補填を要求したものだった。
今年88歳になる現役トレーダーの藤本茂さんは、もう一度どでかい暴落が起きるというが、今年はアメリカのエヌビディア(半導体で有力企業の一つ)の株価が高騰した。日本の株価は4万円を回復したが、その後はマイナスに転じて今は(12月27日現在)3万9900前後を推移している(同日4万円を超えた)。ちょっとマーケットを見れば、ファーストリテイリング(ユニクロ)が5万3,850円でちょっと手を出しにくい程上がっているが、海外の投資家が日本の株を漁っているから多くの銘柄に食い付いており上下を繰り返しているのが現状だ。そして12月30日の大納会で、今年の取引は終わる。
そんな中で台湾の黄君(台湾大学院在学中)からKLAの内定をもらった事がLINEで知らせを受けた。TSMCやアプライドマテリアルとか最優良半導体関連の会社からも今後彼はオファーを受けることになるんだろう。一日一食で日本で暮らしていた時分とは雲泥の差だ。自分のことでは、ちょうどクリスマスの日にボイトレの最終本番(収録)あって、訳が分からない間に一年が終了した。自治会の会計報告も毎日電卓使って最終集計まで漕ぎつけた。エクセルはある程度自信があるけど、来年からはエクセル+Pythonとか今年出来なかった事を粛々と進めていきたいと思う。もちろん忘れてないよ、三十五ちゃん。来春は蔦屋重三郎の大河はじまるね。ちょっと気になってる。来年こそ自宅で居ながら仕事出来る環境を目指すことにするよ。ミステリーの長編も未完成やしね。そばにいて、見守ってね。
みなさん良いお年を。
MC183 / sekaijyuwo issyoni siawaseni siyouyo