2023年7月6日木曜日

バラバラ殺人事件に見る世相

    今年7月に入って発生した札幌のホテルでの猟奇殺人事件は世を賑わせている。6月には猿之助の一家心中事件があって、世間の注目を集め、広末の不倫やジャニーズ事務所の性被害事件と合わせてタイミングよく週刊誌が続報を打つことで、TVやYouTubeがこぞって取り上げて、国民皆古畑任三郎的な状況になりつつある。ただ性被害を取り上げたことで著名な作曲家が活動を制限される事態が生まれていることはまた別の問題を孕んでいる。

 ちょっと前に、職場にいる元小学校の先生が「女性セブン」の記事を親にどうしても読ませたくないことから、家族会議と称して睡眠薬を過剰に摂取して(実際にビニール袋を被せて確実に死に至らしめている)一家心中を図ったのではないかと仰るので、先生それ殺人になってしまうやんと答えたことを憶えている。

 今回の札幌の事件もネットの書き込みがマニアックで、謎解きの嗜好家がかなりいるようだ。

・「殺人事件の現場は札幌市中央区南8条西5丁目のラブホテルで「LET’S(レッツススキノ)」202号室である。」札幌に行った人なら知ってるでしょうが、市街地が区画整理されており、東西南北が一目瞭然であるのがすごい。

・「62歳の男性には争った時に起きる防御創がない。ホテルの浴室で刃物で一撃されて、頭部が切断されて持ち出され、同時に所持品も全てなくなっている。(※文春チャンネルによれば、男性は女装していたらしい)」

・「大きなスーツケースを運んだのは、小柄の女性でつばが大きな女優帽を被っていた。」

・「犯行は、ホテルにチェックインした22時50分から翌日(7/2)の2時ころの間である。被害者は、犯行前には16時から22時までディスコのイベント会場にいて相手の女性と合流したものと思われる。」(補追;その後合流したのはホテル近くであることが分かっている)

というように、まるで実況しているかのような事件の詳細を地図や写真などを取り入れて解説しているのである。この「大きなスーツケース」という道具立ては、ヒッチコックの映画「裏窓」Rear Windowを思い起こさせる。友人の刑事ドイルにも愛想尽かされ、骨折して身動きできないカメラマンのジェフ(J・スチュアート)が恋人のリサ(グレース・ケリー)と協力して犯人に挑んでいくのであるが、彼がグリニッジ・ビレッジのアパートの裏窓を通じて日常の何気ない生活の中で見たある不審な男の行動を監視し、男が死体を切断して大きなスーツケースに入れて運んでいると推理するところはドラマのクライマックスに当たる。

 ところで身体をバラバラに切断するというのは、古くは佐川君のパリでの猟奇殺人とか滋賀県の琵琶湖岸で発見されたバラバラ死体遺棄事件が有名であるが、確かに尋常ではない。娘が母親を殺して胴体以外はバラバラにしてゴミにして捨てたという事件も滋賀県で発生している。母親が娘のためをと思って医者にするべく医大進学を強く勧めるが、娘にはその気がない。そして結末として悲惨な殺人事件に至るのである。この事件については、共同通信の女性記者が本にしており、末尾に掲げるので興味がある人はぜひ一読して欲しい。

 多分殺した後に身体をバラバラにする理由は、一室で行われた殺人という犯行を隠すため、移動する必要に迫られてのことだろう。だから車のトランクとかスーツケースが必要になってくる。

<速報>2023年7月24日事件解決;29歳の不登校だった娘と59歳の精神科医の父親が逮捕された。頭部も自宅で発見されているが、まだ死体領得の動機は不明のまま。いちばん謎なのがこの辺だ。よほど卑劣な相手でもない限り、死体を遺棄してもそこまでする必要性がない訳だし、当時女装していた被害者はバイク仲間では人望も厚かったらしいけど、パパ活しないとも限らないし、まだ若いし娘との間で何か金銭的な或いはストーカー的な行為があったのだろうか?

北海道警の緊急記者会見

 今日も真夏日だったけど、明日は「七夕」。夏の大三角が晴れたら見られるところだけど、週末は梅雨の中に埋もれそうな気配。(追記;実際夕方には雨になった)

 

 ぼくが今どこにいるか分からない程途方に暮れていても 君のことだけは

 忘れてないから ずっと思い続けているから そっと ぼくの横に

 座るだけでいいから 安心していいからね そんなに

 たくさんの喜びをくれなくても いいよ

 そばにいるだけでいいんだから

 君の元気な笑顔を見るだけで いいんだからさ


   アイスキューブ・ニュートリノ観測所(南極)の背後に見える天の川とオーロラ(YUYA MAKINO, ICECUBE/NSF)

  (Forbes Japan の記事から)

 ギスギスした世の中ではなくて、誰もが幸せを満喫できるように、明日の七夕には輝いた星々がどこでも見れますように….

  参考文献;齊藤 彩「母という呪縛 娘という牢獄」(講談社刊)

 <追記>7.8 半年が過ぎて改めて思うことは、人々が「われ先に」という志向を変えていないことだ。とにかく自分firstである。昨日も危うく事故になりかけた。前の車が急に指示器を出して左折したので、バイクで直進の私は加速して直進しようとした。そこに対向から右折の車が塞ごうとして、急ブレーキ。バイクは右手の前ブレーキと右足の後ブレーキを踏んで制御する。タイヤが焦げるような臭いを出し、ハンドルは右へ、左へと振りながらやっと停止した。そして当該車両はそのまま右折して何食わぬ顔で進んで行った。人々は「煽り運転」には敏感である。でも自分が原因を作っていることには殆ど無関心である。今日はTVでは大和西大寺駅前を映して今の模様を伝えている。彼が安倍元総理を銃撃して、私たちは初めて統一教会という団体の実相に気付いた。テロが悪いと声高に言うなら、同時にこの宗教団体と政治家が永遠に縁を切らないと片手落ちになる。今だにこの宗教2世問題は解決していない。今日は地元に出来たガーデンハウスに母と草花を見に行った。草花を見るだけで心が落ち着くのは不思議だ。

<補追>2023.7.22  「報道特集」より 政治家の集会に統一教会はなくてはならないの件

https://youtu.be/q5QmGDbY6U4







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