2023年9月24日日曜日

心機一転がんばります!

  この言葉は、よく転勤や転職する際に別れの挨拶として繰り返し用いられてきた。そういう私も何十回も(?)繰り返しただろうか。そして最後の最後(?)にここ大和郡山を出て「新天地」で頑張ろうと、大阪市内に志を新たにしている。きっとお前も最低2回は言ったはず。


 なぜこの言葉を取り上げたかと言えば、いわゆる「ジャニーズ」問題の第三者委員会の調査結果を踏まえて新組織に移行する挨拶、そして「ビッグモーター」の社長の交代劇。ジャニーズ問題について言えば、まだまだこれからも尾を引きそうな気がする。新組織にするなら「ジャニーズ」と言う名前にしなければまだしも、過去を引きずった感があり過ぎで、今でも被害は止まるところを知らない。新社長である東山の過去のスキャンダルやいち早く抜け出て新組織を創り上げたタッキーも加害者疑惑が出ている始末。紅白に韓国と演歌だけじゃつまらんという声もSNSでは早くも上がっている。ビッグモーターは、損保ジャパンと一蓮托生の仲で、金融庁の立ち入りや、警察の捜索が今後も続きそうである。

 日大はどうだろう?アメフト部は過去に手痛い失敗があり、理事長をすげ替えたが、内情はあまり変わらず、旧態依然とした組織運営で日本一の私大の名に恥じるようじゃ学生も居心地が悪いはずだ。世に文春砲がなければ「こぞって悪の道に走る」という状態に今の日本はなっている。思えば、よく使う「コンプライアンス」や「法令遵守」とかは太平洋を挟んだ彼の地で起こった大企業「エンロン」の不正会計が発覚した時に、二人の議員であるポール・サーベンスとマイケル・オクスリーが法案を提出した「2002年サーベンス・オクスリー(SOX)法による。

 日本版SOX法なるものが作られたが、経団連などが既得権益を損なうおそれがあり弱腰だったり、個人が不正を告発できる「公益保護法」なども日本の風土には中々定着しなかったし、そのことこそが電通の悪しきパワハラ体質を放置させたし、企業では今大きな節目に立っている東芝の不正会計、その前に暴かれたオリンパスの不正会計問題が明るみに出て初めて人々の認識が少し変わったと見えるが、妙な立身出世主義や派閥や忖度などいつまで経っても日本人は変わらないと見た方が正しい認識だろう。

 内閣改造も自民党総裁はとっておきの「隠し球」を用意したつもりなんだろうけど、世間は引いた。件の木原官房副長官は「辞退する」となっていたが、その実「幹事長代理」(党内では実質の幹事長と囁かれている)と「政調会長特別補佐」というW要職に就くことになった。令和3年から官房副長官となっているのは栗生俊一氏である。内閣人事局長も兼ねている。現警察庁長官の露木氏は7月の記者会見で言わなくてもいいのにわざわざ「法と証拠に基づき適正に捜査、調査が行われた結果、証拠上事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」そんなことはない。木原氏の妻が「ホンボシ」である疑惑があるからこそずっと警視庁捜査一課が捜査してきたのだから。かつて警察庁長官暗殺未遂事件の被疑者をオウム真理教の犯行だと断定して警視総監自ら指揮棒を振って2回も誤認逮捕を繰り返したことがある。一度誤ったら、その上に糊塗するのは「ウソ」でしかない。どこの刑事でも「誤認逮捕」してしまう失態を演じたら二度と刑事には戻れない。ただ一部には例外があるようだ。


    内閣官房ホームページより


 栗生氏は、官房副長官と一番下にある「内閣人事局長」(彼の情実人事は有名)と、一番上にある「内閣感染症危機管理監」を兼務している。既に影響力はないという評価が高いが、今後の動向が注目される。












2023年9月8日金曜日

あるアルピニストの死

    女性アルピニストの谷口けい(43歳)は、2015年12月22日北海道の大雪山系黒岳(標高1984メートル)で滑落死した。2007年にはエベレストに登頂し、女性で初の「ピオレ・ドール」賞(世界の登山界の最高の栄誉)を受賞している。明治大学時代には登山よりサイクルスポーツに目覚め日本中を走り回っていたし、その後バイクツーリングや憧れた植村直己が眠っているマッキンリーやマナスル(野口健とエベレストの清掃活動に従事)登頂など休むことなく活動した人だった。最後の黒岳では3人のパーティの一人で、積雪の中いわゆる「お花摘み」(用を足すこと)の最中に誤って足を滑らせて滑落し帰らぬ人となった。

 43歳という年齢は、山を極めた登山家に共通していることを私は最近になって知った。1984年2月植村直己がアラスカのマッキンリー(標高6190メートル)登山中に亡くなっているが、私がまだ若い頃(彼の死の6年前)彼が犬ぞりによる北極点到達した際に僅かながら支援者の一人であった。彼も43歳で亡くなっているが今だに遺体は発見されてはいない。彼から送られてきた記念のシールはどこに行ったか不明だ。彼は言った。「私の中の劣等感が私を極地に駆り立てるのです」と。

 そして、この人は絶対死なないと信じていた人も同じ歳で亡くなっている。ヨーロッパアルプスの三大北壁であるマッターホルン(4478メートル)アイガー(3970メートル)グランドジョラス(4208メートル)の冬季単独登頂(世界初)を成し遂げている長谷川恒男。この人もエベレストで亡くなってしまった。

 ただ亡くなっていない人もいるにはいる。ヒマラヤ山脈 the Himarayan range = the Himaraya Mountains は有名なエベレスト一つではなく、多くの山々が連なっているのである。日本の代表的なアルピニスト竹内洋岳(ひろたか)は、エベレストをはじめ14座すべてを登頂した登山家である。14座とは、エベレスト(8848メートル)K2(8611メートル)カンチェンジュンガ(8586メートル)ローツェ(8516メートル)マカルー(8463メートル)チョ・オユー(8188メートル)ダウラギリ(8163メートル)マナスル(8163メートル)ナンガ・パルバット(8126メートル)アンナ・プルナ(8091メートル)ガッシャーブルムI(8080メートル)ブロード・ピーク(8051メートル)ガッシャーブルムII(8035メートル)シシャパンマ(8027メートル)である。彼がその山々を征服する前に一度雪崩に巻き込まれ遭難している。その時偶々外国の医師の男女の登山家2名に遭遇し助けられ(パーティの他の2名は死亡)、奇跡的に生還している。つまり一度は死んだ男なのだ。

 人はなぜ山に登るのか?例え凍傷で手を失ったとしても。これは山登りの人にとっての永遠の命題だろう。「そこに山があるから」と答えたのは英国の登山家ジョージ・マロリーである。日本の谷川岳一ノ倉沢は、登山家にとってどうしても一度は登らなくてはいけない難所であり、自分の目標とした山と思った登山家は限りなく多いし、それだけに山がそういった人たちの意志を拒んで命を絶った人も限りなく多い。谷川岳にはそういった人たちの碑が立っている。それでも日本の山に飽き足らず、五大陸五大峰を登頂するとか、アルプスの冬季単独登攀とかをやる冒険家が日本人にはいたのである。

 今日本ではジャニーズ問題を新体制で出発するという記者会見や来週内閣の改造があるが既に留任が公表された木原官房副長官(補足;後に本人が固辞)の妻の問題、秋本衆議院議員の収賄容疑での逮捕と様々な興味深い話題がマスコミを賑わしている。そういえば、2年前の2021年10月24日に岐阜県の北穂高岳(標高3106メートル)に登頂しようとしていて遭難していた内閣府大臣官房審議官の酒田元洋氏(53歳)が遺体で発見されている。この人が遭難したのは、ちょうど入山中に発生した震度4の地震が高山市であり、その最中であったことも関係があったかも知れない。ちょうど「桜を見る会」の問題で経緯を説明する任務を負っていた人でもあったので様々な憶測を呼んだ。

 山はただ人間の味方ではない。動物や植物も含めた自然の中で脅威に感じることもあるだろう。それは人間が大自然の中で本来畏れを感じなければいけない存在であるからであり、少しでもそれに逆らったならば命を取られることを意味する壁のような存在でもある。

 日本の女性登山家で渡邊直子(42歳)は現役の看護師であり登山家でもあるが、現在13座を征服しており、あと1座と残している。もし残すシシャパンマの登頂に取り付いたとして、無事に帰って来て欲しいと、本当に心から願うばかりである。

 追記;明日(9・10)放送のTBSテレビ「情熱大陸」には彼女が登場する。

追記;2024年10月9日無事シシャパンマに登頂し、14座制覇した、の報が届いた。

日本の女性看護師、ヒマラヤ13座征服!


        写真は、谷口けい「Picasaの写真」ブログwww.east-wind.jpより