先に取り上げた外国人労働者も色々これから問題が生じるし、既に日本で生活しているクルド人や中国人など軋轢が生じている。私の友人の黄君は今は台湾大学院(工科系)を卒業してアメリカ企業である半導体メーカーに今年就職した。その彼が、昨年の春までは日本の食品会社の理系分野で研修生として働いていたのだった。研修生というのは実際には暴力団ブローカーが絡んだ仕事の斡旋や詐欺紛い、恐喝まがいの脅しで見ぐるみ稼いだ費用を分捕っていくシステムと言ってもいいくらいな、実に研修制度とはかけ離れた実情に当の研修生は悩み、翻弄されている。黄君は、私に落とし物を届けたことで彼らの生活の一面が垣間見られた、というよりも少しでも何か知らせて、聞いて欲しかったんやないかなぁ?日本の有数の食品会社がそんな実情を持っているなんて誰も知らないし、他人まして外国人に関心を持つ日本人なんていない。彼が属した課では彼ら外国人にはパワハラめいた待遇を押し付けているしそれを良しとしている。
彼は「一日一食」を自分に貸していた。それだけ彼の手元には残らなかったということであり、おまけに夜間のタダ働き同然の残業が課せられた。(*今は年俸約2千万円は得ているのではないかと思う)私はその食品会社に世話になったし実名は出せないが、日本のこの研修制度を根本から見直していかないと、ベトナムの若者のように脱走したり、日本という国に恨みこそ持っても、「世話になった」感覚、良い体験したような実感なんてとてもじゃないが期待できそうもない。日本人もその実情を知らないばかりか、政府や所管庁も是正しようとしていない。何かが間違っているとしか思えない。今に始まったことじゃないですよ、このような現実は!研修制度に絡んでその既得権益にどっぷり浸かって甘い汁を吸う日本人がいるということである。
黄君の表情に翳りのようなものを感じた私は当時彼に尋ねた。日本に来て友達はできたか、或いはどこか行きたい場所に行ったか?と。どちらもNoだった。彼はアニメで日本語を習得したのだという。当然台湾にいるから中国語を話すし、生まれはインドネシアだから母国語の他に英語が出来る。彼は早く帰国して大学院に進学する手続きを進めているということだった。帰国するまでに幾日か日にちがあったので、私の休みに彼を京都に連れて行き、帰るまでに少しくらいは満足できなくても、最後くらいは良かったと思って帰ることが出来たらいいと考えて、北野天満宮へ連れて行った。ここは菅原道真公を祀っている神社で、彼は時の政権によって太宰府に流されてしまったこととか、例の匂いよこせよ梅の花の和歌の由来も教えたりもした。興味を持って聞いていた。私が今休みには必ずいく地元の神社も菅原道真公とゆかりがある。日本の至る所に彼を敬い祀る神社が多くある。彼が時の政権からその地位を復権したのは彼が亡くなってからだった。そして彼がまだこれからも学業を続けていく意志があるからお守りを買ったやったら非常に喜んでいた。もし近い将来ドイツに博士号を取りに行く機会があれば絶対持っていくとも言ってくれた。場所を変えて先斗町に連れて行き、食事をしたが以前ほどの満足する料理は出なかった(注文するのにいちいちスマホで送信するのには実際閉口した)が、少しは彼の気が紛らすことが出来ただろうか。帰国後はその後の大学院の様子をLINEで逐一報告してくれている。彼はインドネシアに生まれ、母親から学費を持ち逃げされたりして既に結構苦労していることが知れた。しかし彼の担当教授らが彼の境遇を今の位置にカバーしてくれていたのだった。今はよく彼は言う。日本にいた頃と雲泥の差があると。日本にいた時の関連書類は全て処分したらしい。彼のみならず、アジアから世界から日本に憧れて日本に留学したり研修制度で訪れる外国人の若者は結構いる。
「心から満足した5人の客は、新たに25人の客を連れてくる」という経営上の諺がある。昔好んで論文試験で書いた言葉だ。こういうような考え方を身をもって実行している経営者も政治家も、或いは直接市民と接している公務員もおそらくいないだろう。台湾では今TSMCという半導体ファンドリを舞台にしたスパイ事件で揺れている。飛び火したのは日本である。しかしこのような事件も注意深く観察すれば例の国が主導であることは直ぐに分かる。詳しくは次のサイトが役立つと思われるのでリンク先を貼っておきます。
TSMCをめぐるスパイ事件 (世界経済評論IMPACTの記事)

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