もしもお前と旅をするなら
北欧の街を二人で歩きたい
エキゾチックな街の中で 並んで
お前が左で おれが右
ゆっくり話しながら 公園や港や図書館を巡る
家に帰ってパソコンをすると言ったって遠い
日本から離れていて おいそれとは帰ってこれないのを知っている
でも 幸せを満喫できるところにいるのは 二人には分かっている
お前とつながっているから 今ここでこうやって
つがいの鳩
東の空が白んで 人は傘をたたんで帰る
工場の屋根に つがいの鳩がとまっている
雨の中でもとまっていた いつもカラスがやってきて邪魔されても
今日も仲睦ましい
雲の流れは少し速いけど 束の間の僥倖とはいえ
安心できる 明日になればいい
(2020.7.6)
織女と牽牛
「こんな雨では 織姫と彦星は会えないじゃんか」
昔々、天帝という人が天空を支配していたころの話
天の川の西岸に 織女という娘(天帝の娘)がいたんだって...
「それで?」
東岸には牽牛という若者がいて 天帝が二人を一緒にさせたんだけど
一緒になったばかりに 二人は以前の二人ではなくなってしまって
罰として二人を引き離し 一年に一回だけ この七月七日に
二人を会わせてやろうとしたんだってさ
「可哀想だよ、それって。大人は横暴だよ」
そうだよね それにさ 毎年雨が降るからね この日は
「でも 宇宙にいたら 雨は降ってなくて 会えているかもね」
うん。ひょっとしたら もっといっぱい会っているかもね...
「だといいんだけど」
(2020.7.7)
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