2020年7月7日火曜日

旅をする二人

もしもお前と旅をするなら
北欧の街を二人で歩きたい
エキゾチックな街の中で 並んで
お前が左で おれが右
ゆっくり話しながら 公園や港や図書館を巡る
家に帰ってパソコンをすると言ったって遠い
日本から離れていて おいそれとは帰ってこれないのを知っている
でも 幸せを満喫できるところにいるのは 二人には分かっている
お前とつながっているから 今ここでこうやって

つがいの鳩

東の空が白んで 人は傘をたたんで帰る
工場の屋根に つがいの鳩がとまっている
雨の中でもとまっていた いつもカラスがやってきて邪魔されても
今日も仲睦ましい
雲の流れは少し速いけど 束の間の僥倖とはいえ
安心できる 明日になればいい

(2020.7.6)

織女と牽牛

「こんな雨では 織姫と彦星は会えないじゃんか」

昔々、天帝という人が天空を支配していたころの話

天の川の西岸に 織女という娘(天帝の娘)がいたんだって...

「それで?」

東岸には牽牛という若者がいて 天帝が二人を一緒にさせたんだけど

一緒になったばかりに 二人は以前の二人ではなくなってしまって

罰として二人を引き離し 一年に一回だけ この七月七日に

二人を会わせてやろうとしたんだってさ

「可哀想だよ、それって。大人は横暴だよ」

そうだよね それにさ 毎年雨が降るからね この日は

「でも 宇宙にいたら 雨は降ってなくて 会えているかもね」

うん。ひょっとしたら もっといっぱい会っているかもね...

「だといいんだけど」


(2020.7.7)

      フリー写真;オーストラリアの空に輝く天の川の風景でアハ体験 より

       http://gahag.net/010422-milky-way/


0 件のコメント:

コメントを投稿

新中東戦争のゆくえ