2025年1月23日木曜日

半沢、大丈夫か?それで 2️⃣

  以前取り上げた三菱UFJ銀行の不祥事を再び取り上げる。最近までこの銀行は、東京三菱UFJ銀行であった。それが一時は国内で最優良の東京銀行が衰退したのか知らないが、現在の名前に変わった。これには何か世間の知らない別の問題が隠されていると思ってしまうが、ここでは取り上げない。前回はUFJ銀行の前身は三和銀行であると言ったし、その時にも前代未聞のオンライン詐欺事件が起きているのであるが、バブルがはじけて以降再編の動きが加速して日本のかつての6大銀行は、今や再編しまくって見る面影も無いくらい。宝くじの登録金融機関はみずほ銀行であるが、かつては当時日本一の銀行だった第一勧業銀行だった。そのみずほも三つの銀行が統合してズタズタになったのかオンラインでの不手際が続き、宝くじが無ければ魅力もない。その話は一度「ポストモーテム」で取り上げたので略する。

 警察の好きなキャッチフレーズに「安全・安心」がある。でもこの神話も少しずつ崩れつつある。それは警察庁主導で決められたサミット等の各種警備を要する行事や都道府県警の各警察が主導で捜査すべきことが伺いを立てる悪しき風潮が阻害しているからだ。それはグリコ・森永事件(警察庁指定114号事件)から引き継がれている。この事件は2府県以上にまたがるような広域性を伴う事件が機動力と速やかな情報共有が必要なために指定されたものである。ところが、事件解決にはそのために様々な障壁が生じて指揮系統に齟齬が生じた事により未解決になったことも事実である。今回の三菱UFJ銀行でも垣間見れる。40代の女性行員であり事件当時管理職にもあった人物が顧客が預けた金塊を「盗んで」古物業者に預けて金印を取得するという極めて特殊な「知能犯的な」事件であり、捜査三課ではなく、捜査二課が動いた。

 捜査二課が動く事件は、選挙に関する事件。贈収賄事件(汚職の最初の文字からサンズイと呼ばれる)その他知能犯事件は代表的なものは、詐欺、背任、横領である。この事件に動いた理由としては、最初から「横領」を疑ったからに他ならない。無免許のような道路交通法でさえ、事故をともなえば誰しも日常的に頻繁に行われる行為には「業務上」が付き、業務上過失致死や業務上過失傷害などの刑事責任が問われる。今回も、銀行の行員である株式会社の社員(会社法でいう取締役には「善管注意義務」というものが付き纏うが、それは次回に取り上げます)が業務上横領事件を行ったのは、銀行にとって由々しき事態であったのは十分想像できる。それで半沢頭取が警察に相談したのだろう。あと一つ見逃せないことは、各銀行には銀行協会があって機能しており、警察と連携し、例えば組織犯罪のマネーロンダリングに利用されたり、脅迫的な融資を迫ったりし易いので防犯的に結びついている。よって警察から銀行へ天下りすることもある。

 「窃盗事件」であれば、その行員一人のせいにして組織性が緩和されるが、「業務上横領事件」であるとか、銀行という企業体に損害を与えるためにわざわざ内部の資産を食い潰したような背任行為になれば、上部機関である金融庁にも報告し難いのである。捜査二課からすれば、面子丸潰れである。「ブラックボックス」のところでも書いたが、一度上層部が決定してしまえば、中々覆すことが容易ではない。刑事部長や所属長である捜査一課長から命じられたら抗し切れない。今の中居問題と似ているが、山口敬之氏の問題も同じである。いわゆる事件をもみ消すことも可能である。頭取が相談して「窃盗」となった今回の事件は果たして公判維持が上手く進むのだろうかと心配になる。まず起訴する東京地方検察庁がどう判断するのか気になる。

 「業務上横領」そのものが分かりにくいという方のために一つの事例をご紹介しよう。これは実際に日本マクドナルドで起こった事例である。ある人が奈良県内の店内で財布を落とした。リュックの上部が空いていたために抜け落ちたと思われる。遺失者は直ぐには紛失には気付いていなかったものの、数日して店に問い合わせて店員が拾って財布が無事だったことが判明する。その時店員はこう遺失者に告げた。「その財布は、一度金庫に収納しておりましたが既に店長が警察に届けたようです」と。ところが管轄の警察署の会計課では当該拾得届を受理していなかった。今度は警察が遺失者にいう「お店の店長とお話をしてくれませんか?」と。腑に落ちないと思いつつ店長と会うと「届け出ようと車の助手席に紙袋と一緒に置いていたんですが、どうやら一緒に捨ててしまったようなんです」。この話あなたは信じますか?例えば刑事事件として捜査していれば、ガサ(捜索)していれば店長の自宅からその財布は見つかったかも知れない。店長の上部責任者はエリア責任者である。その方の立ち合いで両者示談が成立した。この遺失者にとって大事な忘れ難い財布が、現金という解決金(中居氏の場合は解決金は多額だったが)に変わってしまった。本当のところ彼が欲しかったのは、その財布の中の現金やクレジットカードではなく「イチロー選手の記念のスタバカード」だったかも知れないし、その辺では決して売られていない財布それ自体だったかも知れない。

※上記事案では遺失物横領ではないかとお前は質問するかも知れないから、断っておくね。既に店の店長という管理責任者が保管しているから、店内でお客さんが拾ってポケットナイナイしたのと違って(その場合には遺失物横領が成立する)、横領事件になるし、業務上が付くのです。

        ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの公式HPより
 

 先ほど警察の天下りの話をしたが、それについても一つ触れておきたい。ディズニーランドと並んで日本の外資系のテーマパークとして誰もが一度は訪れたことがあるUSJで実際にあったことである。「それってUFJ銀行を、USJっていうから」なんて言う、かまいたちの漫才を思い出してしまうが、ここでも被害者が登場する。園内を入るとしばらくしてコインロッカーがあってそこに財布などの貴重品を入れたバッグを預けることが出来る。そのコインロッカーに預けたゲスト(お客さん)から複数被害が警察に届けられた。毎日同じ人が来ないから、ほぼ毎日のようにそんな被害があったことが予想されるが、中には「お前の勘違いやろ」「私確かにこのロッカーに入れた財布に現金5万円入れといたんよ」「もう、勘違いやろ、なんでそんな大金持っとんね、おかしいやろ」などと夫婦喧嘩になって離婚に発展した夫婦もいたかもしれない。ところがそのロッカーの辺りには一台も防犯カメラが設置されていない。つまり盗まれたが最後一生出てこないのだ。手口は例のUFJと同じでマスターキーを使用したものだ。被害者はたくさんいても、UFJいやUSJはコメントは出さない。なぜならおそらくそこを巡回するのは警備員と分かっていたのだろう、それを公表してしまえば内部犯行の誹りを免れないからだ。ここでもOBに相談したりしたはずだ。何せ園内でトラブル事が起きたとしても絶対制服の警察官は入れない。もしどうしてもそんな事気にしないで楽しみたいなら、コインロッカーだけは利用せず、暗いところではスリに気を付けて、夕方から入って半日楽しむパターンでエンジョイして下さいね。ドンキーたちがあなたを待ってますよー♪

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