Intolerance 不寛容
その昔、まだアメリカがトーキーになる前のサイレント時代(白黒映画)にも名作と言われる作品がある。それが1916年に公開されたD・W・グリフィス監督の映画「イントレランス」である。映画は面白くなければヒットしないから、おそらく真面目臭って作った大作が市民受けしなかったのだろう。当時38万ドルという巨費を投じて作られた映画は、興行的に大失敗だった。もう一つの要因は、当時第一次大戦への参戦(国民は反戦で厭戦気分があった)という状況下でマッチしなかったのである。
ところで来年1月20日に発足するアメリカのトランプ政権では、前回と同じく閣僚や大統領を支える職員の人選で難航が予想される。日本では、ペルーで開かれたAPEC首脳会議でのことで既に首相の評価が下がりつつある。ひとりスマホしたり、座ったまま要人と握手する姿が写されている。彼を支える外務省や補佐する人が首相を支えきれていないから、外交的にもすでに綻びが出ていると言うわけだ。渋滞に巻き込まれて集合写真にも入っていないというオマケまで報道されている。バイデン大統領然り。そう言えば昔田中角栄が中国でマナーを知らずにワイングラスを盃と同じように持って乾杯している姿が写し出されていた。こういった国際舞台のマナーの無さを日本の恥だとさえ思った国民も多かったに違いない。
「アメリカが覇権国である理由は、アメリカが豊かな国である理由と同じだ。それは、異質なものを認める『寛容』である。多くの歴史家が指摘するように、寛容こそが、古代ローマから続く覇権国の条件なのだ。」(野口悠紀雄「アメリカはなぜ日本より豊かなのか?」本年8月30日幻冬舎新書より発行)この中で野口氏は、「まさにこの点(解説すると→寛容を認める多様性を主張したのはケネディ政権だった)を否定するのが、ドナルド・トランプ前大統領だ。この点をめぐって、かつてないほど激しい世論の分裂に直面している。」という。人気僅かに残したバイデン大統領の最後の仕事が、ウクライナへの支援と武器使用に関する大幅な譲歩である。それにより更にロシアとの戦争が長期化(ロシアのプーチンが譲歩しないだろうから)し、エスカレートする情勢にある。トランプ政権になれば、更に自国の化石燃料を掘って掘って売りまくる「利益追求ファースト」が最前面に出るだろう(排出ガスクソ喰らえ)し、日本にも関税を仕掛けるかも知れない。※なおこの件に関し、YouTubeで小泉悠氏がアメリカが原油を増産することにより中東価格のバランスが崩れ、ロシア原油まで影響を受けてロシアが苦境に追い込まれることを米国が計算していると話している。
そういったことを念頭に、上手くやってくれる首相なら問題はないのだが…(確かに石破首相は本来なら日米地域協定の見直しを図る意図があったはずだが、自民の中の周りとの協調性を最優先してそれを今ではひた隠しにしている)。閣僚で逮捕されてもおかしくない人がいると噂されてもいるし、参院選を前にしてどうなるんだろうか。
MC183 35 wa sekaijyude ichiban taisetsunahito .
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