2020年5月2日土曜日

THE HOT ZONE

THE HOT ZONE

 東京にある国立感染症研究所に、エボラ・ウィルスが持ち込まれることが発表された。
厚労省は、2020年東京オリンピック、パラリンピックで、エボラウィルスに感染した患者が入国したり、生物テロの発生も懸念されるとして、同ウィルスを輸入することを決めたが、その時期については公表しないとした。
今ごろという気がしないでもない。4年前に私が読んだ本の中でベスト3を選べば、見出しにあるリチャード・プレストンの「ホット・ゾーン」と、「警察庁長官を撃った男」、「下山事件」を挙げる。
 「ホット・ゾーン」は、ノン・フィクションである。映画化もされているが、2014年10月に日本で刊行された原作本の方がはるかにスリル(戦慄)とサスペンス(不安)に富んでいる。私は、滅多にそのようなことはないが、本を読みはじめたら最後、文字が紡ぎだす空間に吸い込まれるようにして読んだ。
内容は言えないが、なぜアフリカの一地域で発生した病原菌が拡散していったのか。舞台は、アフリカ、ドイツ、そしてアメリカへ飛ぶ。
 最近でもエボラウィルス症は発生しており、2018年5月コンゴで集団発生した際には、33人が死亡している。すでに長期化し今年になっても終息してはいない。
本の中に登場する病原体は、スーダン株とザイール株であるが、ザイール株はウィルスが増殖すると細胞が壊死してしまう。ドイツで発生したマールブルグウィルスはどういうものなのか、本のなかで皆さんが一度体験して下さい。しかし、アフリカと接点がないアメリカで発生したのは、なぜ?
 本の中にこんな言葉が出てくる。
ウィルスが増殖するためには、必ず他の生物の細胞の中に入り込まなければならない。さもなければ死んでしまう。(ウィルスは寄生体である。それ自体では生きることが出来ない)
 もし宿主が死ねば、ウィルスもまた死ななくてはならない。エボラは地球それ自体と同じくらい起源の古い生命形態なのかもしれない。


 あのウッドストックに集まった人数が仮にウィルスだとして、その250倍もの数---イギリスとフランスの人口の合計---のウィルスが、そこには存在し得る。しかも、われわれがその存在に気づくことはまずあり得ない。(2019年5月31日)
 これを書いていたときは、この世界がパンデミックになるなんて全く思ってもみなかたし、誰もそれを信じることもできなかったはずだ。それが今の現実です(2020年4月3日追記)




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