2020年5月2日土曜日

DNA



DNA

 本日(2019年9月27日)NHKのニュースで取り上げられたのは、シベリア抑留者の遺骨を取り違えていた問題(過去に既に報道されています)で、厚生労働省の担当者が送った「報道さえなければ事業は復活していたのに非常に残念だ」との内容のメールである。
 この内容を聞いて「あきれてものが言えない」と話したのは、日本戦没者遺骨収集推進協会の赤木衛理事である。
 また「日本の厚労省は信用を失った」と述べたのは、ロシアの団体「国際軍人慰霊協力協会」のトロチコ副会長である。
現在、ロシアでの遺骨収集調査については中断したままになっています。
最近たまたま私は新大阪の改札内の書店で買った本「DNA鑑定」を読んでいる。著者は、山形大学医学部法医学教室客員准教授の梅津和夫(どっかで聞いたような名前に似てるけど)氏である。この方は、知る人ぞ知るシベリア抑留戦没者の身元特定事業に携わる第一人者です。犯罪捜査やこの遺骨の鑑定について関心がある方は本を是非とも読んでもらいたい。
 ところでこの本の中で氏は、DNA鑑定について素人でも分かり易く解説しています。東日本大震災(死者1万5893人、行方不明者2553人)にも氏は身元特定作業に携わっているが、未だに60体ほどが特定出来ずにある窮状を訴えておられる。

数を聞くと驚いてしまうが、およそ60万人の日本人がソ連軍によって極寒の地シベリア地域に抑留され、強制労働に従事させられたのは歴史的事実です。そのうち餓えや寒さ又は病気などで命を落とし、現地で埋められた遺体は6万人はいるといわれている。そのうちの2万柱の遺骨が厚労省によって里帰りしたのである。
 収骨された遺骨のうち鑑定に一番適しているのは「歯」であるという。それは歯が水分や微生物が侵入しにくいかららしい。また鑑定には、他人のDNAが混入する「汚染」の問題があるから注意が必要で、それについては、また次回に譲ることにして、照合するからには、DNAの相手がいる。
 つまり遺族の口腔内細胞(頬の内側や歯茎など)を綿棒のような道具で採取するのであるが、この採取方法は、警察が被疑者のDNAを採取するのと同じです。両者が一致して初めて戦死者が特定されて遺族のもとへ帰れるのである。
 氏は戦没者の遺骨を放置し続ける状態について、「骨も拾えないなら戦争などするな」と主張しているのである。厚労省が所管する事業にはきっと手付かずのようなところがあって、それが他人事みたく放置して、後で付けが回ってくるようになるのではないでしょうか。
 ※この投稿記事は、2019年9月27日 konoyubi tomare に投稿したものです。
 参考記事 Aera dot. より
               西日本新聞3月26日記事 より

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